では具体的に板金業務の流れですが、簡単に「板金技術」と一括りには定義は出来ません。実はかなり奥深い内容なのです。損傷箇所の大小にかかわらず、衝撃の強弱により、フレーム・シャーシー等の所謂不可視部分に大ダメージを与えているケースもいざ修理!と言う段階で気付く事もよくある事です。従って当社としては正しく破損の現状を細かくチェックをして、結果に従ってお客様へ「修理の方向性」をご説明致します。更に直す為の何パターンの見積からご提案する事で、お客様にご納得頂き、修理を開始するように心掛けております。
また塗装については当社は最も時間を掛けて作業をしております。何故かと言うと、例え同色・同車種でもお車1台1台で環境の違いや経年劣化で、カラーがそれぞれ微妙に違いが出てきます。現実色見本を参考にしても、実際そのまま塗装すると色が殆どがブレます。かてて加えて作業している季節・当日の天候・気温・湿度の微妙な変化で色の見え方や塗装作業の方法や乾燥時間の長短も変わってきてしまうのです。当社遠藤自動車株式会社はお客様に対して「破損前の状態と出来るだけ同じ色に近づけたい」と言う思いから塗装に関しては時間をかけて修理させて頂いている事をご理解頂ければ幸いです。
板金作業
今回はスズキ・スイフトの修繕を順番に紹介致します。まずは損傷箇所を再確認します。右後部クオーターのタイヤハウスの上に大きな損傷が有ります。
損傷部分を拡大しました。塗装も剥がれ落ちてます。
ホイールにも傷が有ります。
今回はホイールは交換致しますが、ご依頼が有れば修理で綺麗にする事も可能です。
タイヤを外してインナーパネルのひずみを確認していきます。
リアバンパーを外して、後方から側面の寸法を計測していきます。寸法からひずみを割り出す作業です。
インナーパネルのひずみを修正していきます。
アウターパネルのライン部分をスタットで引っ張り作業をして修正を掛けていきます。
ライン部分を引っ張りを掛けながら、ハンママリング作業をして面出しをしていきます。
この状態にしたら薄いパテを付ける準備が完了します。
インナーパネルにコーキングとピッチングコートを吹き付けてます。
此処までが鈑金の実作業となります。
ここから先が塗装の作業がメインになってきます。
作業場所も変わるのでタイヤも装着します。
塗装作業
修正個所にパテ付けをしてます。
手始めにキズが有る部分を埋める要領でパテ付けをしていきます。
クオーター部分は面出しをして、鉄部分が錆びない様にパテ付けをしていきます。
荒パテ(余分についたパテ)を削って綺麗な面にしていきます。
クオーター部分にサフェーサー(パテを水溶液状に薄めた下地塗料。塗料のノリを良くしたり、小キズを埋めたり等)を塗っていきます。
外したバンパー部分には中間パテを塗っていきます。
外したバンパー部分にも同じくクオーターと同じサフェーサーを塗っていきます。
下色の塗装を施します。
ここを基にして何層にも重ね塗りをして微調整を重ねて元の車の色に近付けていきます。
バンパーは外した状態で塗装を致します。
これも重ね塗りで元の色に近付けていきます。
クリア塗布後は、直射日光・雨の当たらない、風通しが良い場所で本塗装の全体が完全に乾燥するのを待ちます。
乾かす目的もあるのでパーツはまだ未装着のままです。
未塗装部分のマスキングテープ・ビニールを剥した後、ポリッシュ作業で仕上げます。これで表面に新車状態に近い光沢がしっかり出る様に磨いていきます。
塗膜の表面の非常に細かいブツブツや、付着部分・非塗装部分の経年劣化で塗装そのものが荒れている所はコンパウンド(磨き剤)を使用して最終仕上の研磨をします。
外してたパーツを装着して、完成となります。
板金作業は説明の通り、見た目よりに奥深く、後々のトラブル判明ゼロにするべく細かい工程の反復です。しかしお客様に於いては壊れる前の状態を目の当たりにしている訳で有りますので、一寸妥協を…で納める訳には当然いきません。従って調色作業はデリケートで、処には長年の培ってきた技術や深い経験がものを言います。当社では「お客様のお車をを破損前の状態で色味までも完璧に復元出来る様に・・・」と言う思いと、お客様に無理な費用負担が出来るだけ少ない様に板金・塗装をしたいと、日々研鑽を積んでおります。板金・塗装の知識と経験は、約半世紀培った自信が有ります。細かい事でも構いません。板金塗装のご用命で悩んでしまったら、どうぞご遠慮なく遠藤自動車株式会社までお気軽にお問い合わせ下さいませ。